わたし アドベントカレンダー 4日目

わたし アドベントカレンダーは、わたしがわたしのことをより良く理解するためのカレンダーです。この記事は12月4日に書かれ、12月10日に公開されました。


ラフマニノフの交響曲第2番は全クラシック音楽の中でも特にロマンティックでエモーショナルな作品で、僕もけっこう好んで聴いている。

僕が知る範囲でのベストな録音はエフゲニー・スヴェトラーノフ指揮、ロシア国立交響楽団の演奏によるものである。とにかく気合いが入っていて、切なさもあり迫力もある。全体的に遅めで、いわゆるスケールが大きい演奏というやつだと思う。

ところがこの演奏は Naxos Music Library には入っているけれど Spotify には入っていない。同じレーベルの交響曲第1番は入っているのでやや不思議である。別のレーベルでスヴェトラーノフとフィルハーモニア管弦楽団のものは入っていたのだけど最近になって配信が停止されてしまった。

そこで世間で評判がよい演奏をということで第3楽章に限ってプレヴィン&ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団のものとヤンソンス&サンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団のものを聴いてみたんだけど、あまりしっくり来ない。プレヴィンはスローでよくコントロールされていて響きが綺麗だけど、だからといってぐっとくる感じが強いわけではない。ヤンソンスは速めで健康的で、まあヤンソンスならそうなりますよね、他の楽章ならそれが合うと思うけど第3楽章に僕が求めるものではない。

気付いたんですが、要するにここに僕が求めているものは情緒不安定さなんですね。よくコントロールされた精緻なアンサンブルで最高の響きを提供されても、感情が極まっている感じはしないですよね。その点でスヴェトラーノフはややゴツゴツしてはいるけれど動きの振れ幅が大きくて生身の人間という感じがする。

そういう意味でこの曲は学生オケと相性がいいんですね。今日は一橋大学のオーケストラの公演で演奏されたそうですね。


ところでじゃあ似た系統でピアノ協奏曲第2番はどうなんだということになると、まったく正反対で快速&すっきりさっぱりなアール・ワイルド&ヤッシャ・ホーレンシュタインのものが一番気に入っていて、好みというのはよくわからないものです。